みなさんはコーチングって聞いたことはありますか?
簡単にいうと、指示や命令ではなく対話を通して、相手自身の答えをみちびくアプローチのことをいいます。
このコーチングという手法。メルカリやキヤノンなどの大手企業でも社員教育のために取り入れられているそうですです。
子育てや学校教育との親和性もばつぐんで、自分も大いに取り入れているよ。
今回は、子育てや教育にこのコーチングを活かすメリット、簡単に取り入れられるやり方について解説しようと思います。
今回の記事は、こんな人におすすめです。
- 分かっていても、ついつい子どもに口出しをしてしまう
- 自分のやっている子育てに不安がある
- コーチングについてあまり知らないけど、興味はある
ぜひ最後までごらんください。
チャイルドコーチングで子どもがもつ「答え」を引き出そう
そもそもコーチングとはなんなのかについて、もう少し掘り下げて説明します。
人は何かしらの夢や克服したい課題があります。それを支援しようと思った時に二つのやり方があります。
一つは、具体的な方法を指示したり説明したりすることで教えるやり方。これをティーチングといいます。
一方で、「答え」はその人自身がすでにもっていると信じ、対話によってその答えを上手に引き出していくやり方があります。これをコーチングと言います。
チャイルドコーチングとは、文字通り子どもに対して行うコーチングのことを言います。
自己を確立していない子どもにコーチングは有効なのかという疑問もあるかもしれません。
国際コーチング連盟認定のプロフェッショナルコーチである石川尚子さんはオランダ教育がコーチングをベースとした学校教育を行っている事例を挙げ、コーチングは子どもにも応用できると述べています。
詳しくは、同氏の「オランダ流コーチングがブレない「自分軸」を作る」という本に書かれているので、興味のある方は手に取ってみてください。
コーチングを学ぶメリット3選
子育てのためにコーチングを学ぶことでどんな良いことあるのでしょうか。
わたしが思うメリットを3つほど厳選して紹介するよ
子育ての指針になる
子育ては迷うことがとにかく多いです。なぜなら子育て論は千差万別で、しかも子どもの個性もそれぞれなので、その子にあった子育てなど個別ケースでしかないからです。
そんな時に指針として使えるの考え方こそコーチングの考え方。なぜなら、自主自立をうながすコーチングの考え方は、子どもの個性に関わらず有用なものだからです。
子育てをする中で、子どもが何かやらかした時など、瞬時に親が判断を迫られるときもあります。
コーチングの考え方がベースにあると、とっさの時でも根拠をもって子どもに接することができるはずです。
子どもの自主自立をうながすことができる
コーチングは基本的にコーチングを受ける人(この記事では子どもを想定します)の中に「答え」があるという前提に立ちます。
なので、こちらから提案することはあっても、アドバイスのような形で「答え」を与えることはしません。
そのため、子ども自身も親や教師から与えられるという前提から抜け出し、自分で物事を考えるくせが身につきます。
子どもの自己肯定感を上げることができる
人間は人から与えられるのではなく、自分が何か物事を成しとげた時に、自分は役に立っているという実感を得ることができます。しいては、それが自己肯定感につながっていきます。
コーチングによって、子どもが自分で目標を設定し、「答え」を導き出す中で、自分の力を信じ、本当の自信につながっていくのです。
簡単にできるコーチングの基本3選
では、コーチングとは具体的にどんなことをするのでしょうか。
今回の記事ではコーチングのベースとなる「傾聴」「質問」「承認」の3つの方法について簡単に紹介します。
どれも、すぐに取り入れられるものばかりです。もしも、これはあまり意識いていなかったなというものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
傾聴:まずは子どもの気持ちを受け止めよう
「傾聴」、コーチングのKING OF 基礎です。
傾聴で一番大事なことは相手のことを受け入れる「受容」です。
なぜ大事なのでしょうか。
大人は「子どもなのだから知らないことが多いだろう、わたしが教えないと」という発想になりがちです。
子どもが大人から見下されていると感じてしまうと、素直に自分の気持ちを考えたり、伝えたりすることは難しくなります。
まあ、誰だって上から目線でモノを言われたら、ムッとしますよね。
そのため、適切なあいづちや「それから?」「もっと教えて」などの問い返しをしながら、子どもの本当の気持ちを引き出していく必要があります。
注意しないといけないのは、「受容」≠「共感」だということです。
子どもが言うことに口をはさんだり、どう言い返そうかと考えたりすることはNGですが、全てを受け入れて共感するのは違います。
大事なのは、「色々言いたいことはあっても、一旦受け止める」という姿勢です。
こっちが「受容」の姿勢を示し続けると、そのうち子どもは自分の口でどうしたらいいのか考え、そして言葉にし始めます。
学校でも、こっちが上から子どもに相対しようとすると、子どもたちは自分の言葉で話すのではなく、先生の「答え」を待とうとします。だけど、辛抱強く聞いていると、なんとか自分の言葉をつむごうとするものなんです。
子どもが勇気をもって話せる環境を大人が作ってあげるのです。これが、コーチングの第一歩です。
質問:「肯定➕未来」の質問で子どもの気持ちを前向きに
ただただ聴いていても、なかなか子どもが話してくれず、しょうがないからこちらからアドバイスしたり、「答え」を提案する。
これだと、コーチングにはなりません。ではどうたらいいか。
そう「質問」を繰り返しするのです。
質問とはいっても、誘導になってはいけませんよ。
あくまで、子どもが自分の答えを見つけるためのフックとしての質問です。
ではどのような質問がいいのか。NGな質問の仕方とOKな質問の仕方を2パターン紹介します。
NGな質問の仕方
どうしてできなかったのか考えてごらん。
なぜこの質問がダメかと言うと、「否定➕過去」の質問だからです。
この質問の仕方をすると、子どもは自分のできなかったことに目を向けます。
すると、どんどん自己肯定感も下がっていきます。
加えて失敗した過去に焦点がいくので、「本当はこうしたい」など未来にどうなっていたいかという思いをもちにくくなります。
OKな質問の仕方
どうやったら上手くいきそう?意見を教えてほしいな。
今度は、さっきのと逆「肯定➕未来」の質問です。
この質問を聞いた子どもは、失敗ではなく、どうやったら上手くいくのかという未来に焦点がいきます。
また、失敗自体を悪いことではなく、考えるための種だという思考になります。
加えて、親や教師から自分の言葉を求めてくれているというメッセージにもなるので、自分の言葉をつむぐ勇気づけにもなるのです。
承認:子どもの「行動」と「存在自体」にフォーカスしよう
最後に紹介するのは、「承認」です。
承認とは、子どもに対して、親や先生が「あなたことを認めているよ」というメッセージを発することです。
この承認にも3つの種類があります。
子どもがテストで100点をとった時を例にあげて説明します。
結果の承認
100点を取るなんてすごいね!
100点をとったという「結果」にフォーカスして、承認をしています。
だめとは言いませんが、子どもにとっては、「高得点をとらないといけない」とプレッシャーをかけることにもつながるので、注意しないといけません。
行動の承認
100点取るまでに、たくさん努力したもんね。
今度は100点をとるまでの「行動」にフォーカスしています。
この承認の仕方によって、努力の過程を認められたと感じ、今後も頑張ろうとする意欲につながります。
また、テストの結果が芳しくなくても、「頑張った姿は見ていたよ」と子どもを肯定することもできます。
注意点としては、子どもをしっかり観察し、努力している姿を見ていないと、「見てもないくせに・・・」と承認がスベってしまう可能性があるということです。
存在の承認
(行動の承認をした後で)テストの点がどうでも、あなたはわたしの自慢の子だよ
テストのことから離れ、子どもの「存在」自体にフォーカスしする承認です。
今回の例では、タイミングを間違えたりやりすぎると逆効果にもなりえますが、例えば、「おはよう」といったあいさつ、「体調はどう?」といった心配なども存在の承認の一つです。
この存在の承認を繰り返すことによって、「結果や行動関係なく、あなたは愛されているんだよ」というメッセージになり、子どもたちが勇気をもって行動するための、土台ができるのです。
個人的には、一番大切な承認だと感じます。
さいごに
つねに課題がコーチングで解決できるわけではありません。時にはアドバイスをしたり、助けてあげたりすることも大切です。
自分自身もコーチングに傾倒しすぎるがあまり、指示を出さなすぎて学級運営を失敗したこともありました。
しかし、コーチングの考え方をベースにして、子育てや教育を行っていくと良いという考えは変わっていません。
ぜひ一部でも子育てや教育のコーチングを取り入れてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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